アルぺジョーネ・ソナタの思い出

ナオです!

3月になっても、あまり天気がよくありませんが、皆さんお元気ですか?

マキ & ナオは元気です。

マキは、眼の炎症はすっかり落ち着き痛みもないのでホッとしていますが、それでも左目の視力が未だに戻ってこないので、皆で心配しています。
不思議と片目だけの生活にも大分慣れてはきているようですが、楽譜をみるのに疲れやすいですし、弾きにくいそうです。
確かに遠近感がないからそういうことになってしまうのでしょう。

でも、4月と5月には、コンサートが続きますので、二人で頑張っています。

春の時期に習い事を考える人たちが多いのですが、これは学校の始まりが春だから、という事なんでしょう。

チェロの体験レッスン希望者が、何人か新しい生徒さんが入会しました。
3月から開始した生徒さんの中には、大学までチェロをしていたという方の場合は、ハイポジションまでマスターしていますので、楽曲もどんどん出来ると思います。
チェロは、ピアノみたいに押せばとりあえずは正しい音程の音が出せるという楽器ではなく、すべて自分の耳を頼りに、指で弦を押さえて正しい音程を作らなければならないので、初心者はとても大変な事だと思います。
でも、チェロの音が好きだからやってみたい、という方たちは、大変でもめげずにコツコツと練習に励んでほしいです。
練習を積み重ねる事で、音が自分の希望通りに弾ける日が必ず来ますから…

生徒一人一人に合った教材選びというのも結構大変なので、生徒さんのレベルに合わせて考えています。

この春公演では、シューベルト「アルぺジョーネ・ソナタ」を演奏するつもりです。

僕は、このアルぺジョーネという弦楽器で演奏したいと10代の頃から思っていましたが、寿命が短い楽器でしたから、とても残念に思います。
パリ音楽院の恩師が、もしアルぺジョーネという楽器があったら、もうチェロとは比べ物にならない程弾きやすいのに、チェリストにとっては奏法がチェロのために作られていないから、苦しい曲なんだよね~でも2楽章の美しさに魅せられて、苦労してでも弾きたくなる曲なんだよね~とおっしゃったのを記憶にあります。

年代としては、1823年空1824年までしかアルぺジョーネ制作はされていない楽器なんです。

ヨハン・ゲオルク・シュタウファーによって発明された6弦の楽器です。
チェロは4弦しかありませんから、何故チェロで演奏するととてつもなく難しくなるか、お分かりになると思います。

チェロを小さくしたような楽器なので、重音を出すのがとても簡単だそうで、弾くたびにアルぺジョーネだったらこんなに苦労しなくても済むのに‥と悔やまれます。
24のフレットを持つ、ギターの特徴をか併せ持つので、「ギター・チェロ」という別名で呼ばれていますが、バロック時代のヴィオラ・ダ・ガンバにそっくりだったようです。

そして、シューベルトは、アルぺジョーネソナタを1824年の作品だそうなので、もうアルぺジョーネという楽器が終わろうとしている時に作曲をして、1871年に世に出たということですから、その時には、もうすでにアルぺジョーネは忘れられた過去の楽器になってしまっていたとのことです。
それで、折角素敵な曲なので、弦楽器奏者がアルぺジョーネの代わりに演奏しますが、やはり、チェロで演奏するのが一番ふさわしいと言われています。

何度もコンサートで演奏していますが、その都度苦労しなければならない曲です。
チェロのために作曲された曲はかなり難曲でも最後には指がしっくりいくのですが、違う楽器のために作られた曲をチェロで演奏する場合は、どこか無理があるというか、6本だったら楽なところを4本で弾くことになりますから、間違いなく難しいということになります。

アルぺジョーネ・ソナタで一番印象に残っているのは、スペインとフランスの国境近くのプラドという村で、「パウロ・カザルス音楽祭」に参加した時のことです。
フィンランド生れたのアルト・ノラス教授に2週間レッスンを受けるマスタークラスなのですが、どういうわけか、フランスの生徒たちは、アルぺジョーネ・ソナタの2楽章を是非アルト・ノラス教授にレッスンしてもらいたい、と思う学生が多かったようで、聴講すると毎日のようにアルぺジョーネ・ソナタの2楽章をレッスンしてもらっていました。
ところが、10代後半から20代の音楽院の学生たちが中心ですから、シューベルトの音色の甘さやうま味を中々表現できるものでありません。
ノラスは顔を真っ赤にして、生徒が1度弾き終わると、必ずケチをつけます。「何もシューベルトを理解していない」というお説教ばかりだったのを覚えています。今考えると、若い人たちにはまだまだ理解出来ない事がいっぱいあったし、音楽を奏でる事はどういうことかも理解していないで、夢中で弾いていたんだと思います。
味付けの塩・胡椒の加減が若いうちは、指は達者に動いても難しいと思いました。
僕は、エルガーのチェロ協奏曲をアウト・ノラス教授にレッスンをしてもらいましたから、逆に若さで思いっきり弾いた事で満足してくれましたが、その時すでに、アルぺジョーネ・ソナタを音楽院の教材としては使っていましたが、2楽章を聴いてもわらないでよかったな、と感じました。
まだ当時は全然深みがなかったと思います。

では、今から頑張って練習をします。

天候が不順ですので、風邪を引かないようにしてください。
今年のイチゴは特別に甘いそうですが、寒波の影響で、野菜は出来が悪くても、イチゴはとても甘いそうです。
いっぱい食べて、元気に過ごしましょう。

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